喫煙による健康影響
たばこの煙には、依存症の原因となるニコチンのほか、タール、一酸化炭素、ヒ素、カドミウムなど約250種類もの有害物質が含まれています。そのため、喫煙していると、肺がんをはじめとする様々ながんや、脳卒中、心臓病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、糖尿病、胃潰瘍、歯周疾患など、いろいろな病気にかかりやすくなります。
<たばこにより発症しやすくなる病気>
・がん ・脳卒中 ・心臓病 |
・歯周疾患 ・胃潰瘍 ・十二指腸潰瘍 |
・気管支ぜんそく ・慢性閉塞性肺疾患(COPD)など |
受動喫煙も危険!
たばこの先から出る煙(副流煙)には、喫煙している本人が口から直接吸い込む煙(主流煙)よりも2~4倍高い濃度の有害物質が含まれているため、たばこを吸わない人も、他の人のたばこの煙を吸い込む(受動喫煙)と、たばこを吸っている人と同じようにがんなどの病気になりやすくなります。
<喫煙をする際の配慮義務等>
喫煙をする際、望まない受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮する義務があります。
また、施設の管理者には、喫煙場所を定めようとするときは、望まない受動喫煙を生じさせることがない場所とするよう配慮する義務があります。(健康増進法第27条)。
お子さんへの影響も…
妊娠中の女性の喫煙・受動喫煙は、胎児の発育を妨げ、親の喫煙は乳幼児の突然死のリスクを高めるなど、子どもにも影響を与えます。
<乳幼児・児童に起こりうる疾患>
呼吸器症状(咳、痰など) 肺の発達の遅れ 乳児突然死症候群(SIDS) |
急性呼吸器感染症
耳疾患(中耳炎など) より頻回でより重症度の高い喘息発作 |
(出典:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」)
禁煙にチャレンジ
健康づくりのため、たばこを吸っている方は、思い立ったら気軽に禁煙を始めてみましょう。薬局等で買える禁煙補助薬を利用したり、病院の禁煙外来で専門家のサポートを受けることもできます。
思いたったら迷わず禁煙スタート
A.禁煙は良い環境で
・吸い残しや買い置きのたばこは、いさぎよく捨てる
・灰皿やライターも片付ける
・たばこを売っている場所や喫煙コーナー には近づかない
・あなたの禁煙を応援してくれる人がいると安心
B.吸いたくなったら、じょうずに受け流す
・水やお茶をゆっくり飲む
・深呼吸したり、からだを軽く動かしてみる
・お酒やコーヒーをひかえ、野菜や果物を多くとる
・禁煙したい気持ちを思い出すグッズを利用する
C.前向きに禁煙を楽しみましょう
・失敗の数だけ成功への階段を登っていますよ
・禁煙に挑戦している自分をほめてあげましょう
ストレスなく禁煙できる禁煙補助薬を利用しましょう
薬局、薬店で購入可能 |
医師の処方箋が必要 |
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ニコチンガム |
ニコチンパッチ(市販用) 体に貼って、皮膚からニコチンを吸収します。 |
飲み薬・ニコチンパッチ(医療用)など 担当医の指示に従って服薬します。 ※妊婦には使えないお薬があります。必ず医師に相談しましょう。 |
病院の禁煙外来で専門家のサポートを受けましょう
栃木県内で禁煙治療に保険が使える医療機関(外部サイトへリンク)
保健適応の禁煙治療が受けられるのはどんな人?
以下の要件をすべて満たした方は、12週間に5回の禁煙治療に健康保険が適用されます。
1.ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)で5点以上、ニコチン依存症と診断された方
2.35歳以上の場合、ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上の方
3.直ちに禁煙することを希望されている方
4.「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療について説明を受け、当該治療を受けることを文書により同意された方
(出典:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」)
どんな治療をするの?
受診期間 | 治療内容 |
---|---|
治療前の問診・診療 | 禁煙治療のための条件の確認 |
初回診療 |
(1)診察 (5)禁煙治療用アプリ及びCOチェッカーの処方 |
再診1(2週間後) | |
再診2(4週間後) | |
再診3(8週間後) | |
再診4(12週間後) |
(出典:日本循環器学会、日本肺癌学会、日本癌学会、日本呼吸器学会、禁煙治療、のための標準手順書第8.1版)
禁煙の薬や治療用アプリって何?
禁煙補助薬であるニコチンパッチ/ガムまたはバレニクリンが使えます。これらの薬は禁煙後の離脱症状をおさえ、禁煙を助けてくれます。
バレニクリンは喫煙による満足感もおさえます。
ニコチンパッチ/ガムを使うと禁煙の成功率が各々約 1.7 倍、1.4 倍、バレニクリンを使うと約 2.3 倍高まります。治療用アプリ及び CO チェッカーを使うと、さらに約 1.7 倍高まります。
(出典:日本循環器学会、日本肺癌学会、日本癌学会、日本呼吸器学会、禁煙治療のための標準手順書第8.1)
費用はいくらかかるの?
※1日1箱(550円)を吸っていた場合の金額
栃木県のたばこ対策情報
栃木県では、「とちぎ健康21プラン(2期計画)」に基づき、「喫煙の健康への影響についての普及啓発」、「禁煙支援の充実」、「未成年者及び妊婦の喫煙防止対策」、「受動喫煙防止に向けた環境づくり」の4つを軸に、施策を展開しています。
<とちぎ健康21プランにおける目標値>成人の喫煙率 12%以下
■未成年の喫煙率 0%
■妊娠中の喫煙率 0%
■受動喫煙の機会を有する者の割合 行政機関0%、医療機関0%、受動喫煙のない職場の実現、家庭3.9%、飲食店15%以下
・毎年5月31日は「世界禁煙デー、5月31日~6月6日は「禁煙週間」です
世界禁煙デー及び禁煙週間には、県、市町、関係団体が様々な取り組みを行っています。
令和6年度「禁煙週間」のテーマ
たばこの健康影響を知ろう! ~たばことCOPDの関係~
・とちぎ禁煙推進店登録制度
県では、受動喫煙の機会を減らすため、「とちぎ禁煙推進店登録制度」により、お店や施設の「禁煙」を進めています。
栃木県における効果的な受動喫煙防止に係る基準(令和元年5月31日改訂)(PDF)
・パンフレット等
パンフレット「新しい家族のために~家族みんなでノースモーキング~」(PDF)
・たばこに関する調査
平成25年度県内の公共施設等における禁煙・分煙状況調査(平成25年3月)(PDF)
平成21年度職場における喫煙対策実施状況調査概要板(平成22年4月)(PDF)
・たばこに関する研修会
「すぐに役立つ!禁煙指導実践者のための研修会」(平成29年2月7日)を開催しました。
栃木県のたばこの状況
・喫煙率(令和4(2022)年度県民健康・栄養調査より)
20歳以上の者の喫煙率は減少傾向にありますが、栃木県は、男性27.9%、女性8.3%と全国よりも高い割合となっています。
・受動喫煙の状況(令和4(2022)年度県民健康・栄養調査より)
1か月以内に受動喫煙の機会があった者の割合は、改正健康増進法による受動喫煙防止が義務づけられたことで大きく減少しています。
・とちぎのたばこの状況
関連リンク
厚生労働省たばこと健康に関する情報ページ(外部サイトへリンク)
世界保健機関(WHO)のたばこページ(英語) (外部サイトへリンク)
厚生労働省e-ヘルスネット「たばこ」(外部サイトへリンク)
日本禁煙学会(外部サイトへリンク)
インターネット禁煙マラソン(外部サイトへリンク)
禁煙治療が保険適用になる医療機関情報(外部サイトへリンク)